『Bridshead Revisited(情愛と友情)』 Always Summer

今日で6月が終わってしまう…。イギリスの、この初夏のひとときは一段といいと思う。
時がストップしてしまえばいいのにな。

『Brideshead Revisited』のベン扮するセバスチャンは『いつもこんな素敵な夏の日であったらいいな…』ってチャールズ(Matthew Goode)につぶやく。いつも満たされなかったセバスチャンの心に、初めてやさしい夏の風が吹き抜ける。

チャールズが絵を書く横で、彼の肩を指でナデナデしちゃったり、いちいち可愛いセバスチャン=ベン。そしてバックに静かに流れるピアノの調べが美しくなんともせつない…。

昨日アップしたキーツのベンの声と聞き比べると、まあーなんと違う…。ベン、本当にカメレオンだわっ。





ジョン・キーツ 『ナイチンゲールに寄す』 Ode to a Nightingale

この詩は、キーツがブラウンと同居していた時に、実際に庭に巣を作っていたナイチンゲールがタイトルになっているとのことだけれど、そのナイチンゲールはキーツのイマジネーションとしての象徴という見方もできるらしい。そして、弟トムの記憶、ファニーへの感情、短い間ではあったが彼の医者としての経験、政治観、彼の欝気味な精神状態…などが散りばめてあるという説もある。私自身は、この詩にあるわかりやすい単語だけ繋げて読んでるだけで、自然の神秘に包まれている感覚になる…。読み手によっても様々な解釈がなされていて、人それぞれの感じ方があって…詩の世界って面白いですね。

こちらのサイトに日本語訳も載っています。
http://blog.hix05.com/blog/2008/05/_ode_to_a_nightingale.html

で、やっぱりベンの声でさらに堪能したいっ!す、す、素敵すぎる。





キーツの『ナイチンゲールに寄す』直筆ドラフト。ベンは映画に出てきた、キーツのハンドライティングの部分は、全部自分で書いたと言ってましたね。

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Ben Whishaw by Rankin

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私にとって、なんだか抱きしめたくなるような、写真家ランキンによる2枚。
シャツが同じみたいなので、同じ日に撮影されたと思われる。2004年頃みたい。

左の写真、後ろから見ただけでもベンだなー。言うこときかなそうなヘア&バンビみたいに反りぎみのお鼻がすっごくベンだ。どっちのショットも、ベンがRankinのことをすごく信頼してそうな、どこか楽しげな、心地いい空気が流れてる感じがする…。




『ブライト・スター』 ファニーのその後 Fanny's life after Keats' death

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ファニーはキーツが亡くなった後、黒い服ばかりを着て6年位喪に服していた…という話がありましたが、他にも色々とドラマがあったようです。

ファニーはイタリア語を習い始め翻訳の仕事をするようになったとのこと…あんなに情熱を燃やしていた服のデザインは諦めてしまったのでしょうか…。そして嬉しいことに、ファニーはキーツの妹のファニー(同じ名前=フランシスの愛称)に連絡を取り、交流を深めていき、ブローン家に招き同居をしていたこともあったようです。なんだかホッとするエピソード。

しかしその後、ブローン家は悲しい一途を辿っていったようです。あのよく出来た弟のサミュエルが23歳で病気で亡くなり、その翌年ファニーの母もアクシデントにより相次いで亡くなる…という悲劇に見舞われたとか。

キーツがファニー家族と一緒に過ごした時間…とてもせつない時間ではあったけれど、みんなにとって幸せな時間だったのだな…と思わずにいられない。また涙…。

↓詳しくはwikiを読んでみてくださいね。日本語版は見つからなかったのですが…。

http://en.wikipedia.org/wiki/Fanny_Brawne

Please read Wiki's reference about Fanny's life after Keat's death if  you are interested.

『ブライト・スター』 ジョン・キーツの友 セヴァーン(Joseph Severn)

今日近くの本屋で、キーツが書いたファニーへのラブレターのみを編集した本を見つけました。『So Bright and Delicate』っていうタイトル。カンピオン監督が序文を書いていて…ほとんど映画の筋をなぞったもの…映画の情景を思い浮かべて、立ち読みしつつウルウル。

で、もう一冊、キーツのイタリア行きに同行したセヴァーン(Joseph Severn)の伝記も出てました。映画に便乗しての出版のようにも思えますが、私はなんだか、このセヴァーンという人がちょっと気になっていて、映画での扱いがあまりじゃないか、と。ファニーが悔しさのあまり『ジョンのことを何もしらないセヴァーンがどうしてイタリアに…』というようなくだりがありましたが、実際にセヴァーンはキーツの兄弟とも交流があり、ポートレイトを描いたりもしてた人。少しそそっかしい面があった人のようですが、イタリアからキーツの病状を事細かにブラウン達に手紙で報告したり、キーツの最期を看取った後もローマに残り、85歳という長寿を全う。彼のお墓は、ローマにあるキーツのお墓の隣に仲良く並んでいます。若くして亡くなったキーツをずっと偲んでいた暖かい人物像が伺われるような気がします。

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《左》セヴァーンのセルフポートレイト《右》『ブライト・スター』でセヴァーンを演じたサミュエル・バーネット。アラン・ベネット作『History Boys』では映画と舞台両方で主役の男子高校生の一人を好演。ベンと同じく1980年生まれ。歌が上手。

《L》 Self Portlait of Joseph Severn《R》Samuel Barnett who played Severn in Bright Star. He also played one of High Shool Boys in History Boys both theatre play and film.

100625_Keats by Severn

《左》セヴァーンによるキーツの肖像画。《右》左よりキーツの墓とセヴァーンの墓。
《L》Portlait of John Keats by Severn. 《R》Keats' grave(L) and Severn's grave(R) in Rome.

キーツの墓碑銘の上に「半分だけしか弦が張られていない竪琴」が刻まれていますが、これは若くして人生を閉じねばならなかったキーツの無念さを表しているとのことで、ルネサンスの人文主義的で古典的な寓意図像だそうです。また、本人の遺言によって"Here lies One Whose Name was writ in Water."《ここに眠る者の名は、水に記される(ごとく消えていった)》…と言葉が刻まれているのがもの物悲しい。
セヴァーンの墓碑には、やはり画家だった彼を象徴するかのごとくパレットと筆が刻まれています。


I have wondered what Joseph Severn's actual relationship to John Keats was. According to references I have read, Severn befriened Keats' brothers as well and he painted some portraits of them. He also decided to stay in Rome after Keats' death, died at age 85 and was buried next to Keats' grave.

In the film, Severn was featured so little that viewers can not get any ideas who he actually was...anyway it was Ms. Campion's choice.

ベン・ウィショー 『Hamlet』@ Old Vic (2004) 

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『Hamlet』を上演したOld Vic劇場で撮影したと思われるハムレットの衣装に身を包む、当時23歳のベン。初々しいと同時にとても優雅。この写真とても好き♪

I guess this was shot somewhere in Old Vic Theatre while he was doing Hamlet in 2004.His expression is so fresh and graceful. This is one of my favorite photos of Ben.



Ben by Simon

そして、楽屋ではこんなお姿。こちらを和ませる余裕の笑顔。
Then...this is behind the stage. His relaxed smile makes us happy.


Ben Whishaw : London 『METRO』 interview (8 Mar 2010)

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ロンドンのフリーペーパー『Metro』のインタビューです(2010年3月8日掲載)。

This is an interview article of Metro paper London on 8 March 2010. I really impressed that he has expressed his view of Shakespear plays done in recent years in the UK...brave guy.

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日本語訳: Japanese Translation

いままでのあなたの演じたキャラクターは張りつめていたり、繊細、悩みを抱えてるようなのが多いですが、何か自分に近いものを感じますか?


ちょっと思いますね(笑)何が実際どうとかは言えませんが。コメディをすごくやってみたいです…今までやったことないようなものとか。

強面の警官とかアクションヒーローを演じてみたいとかは?

いいえ、今のところは。

鍛えてみたらどうですか?

そうですね。筋肉つけてみようと試みたことあるんですけど、なんか僕の体質に合わないようで。代謝が、とんでもなく早いみたいで、何を食べても効果ないんです。

ハリウッドは英国の若手俳優達に随分働きかけてますが、ハリウッドからのオファーをかなり断ってたりしているのでは?

覚えている限りでは『No』と言った記憶はないです。実際、(オファーというようなものは)ないです。どちらかと言えば、特殊映像を駆使したようなものよりも、人間同士の関わり方とか、生き方を描いた作品に興味があります。まあ、将来(特殊映像ものを)やらないとも言えませんが。

キーツを演じる上で面白かった点は?

彼は偉大なアーティストであり25歳という若さで命を閉じながらも、ものすごい功績を残した人物です。誰よりも短く激しい人生を送った彼の頭の構造に入り込むのが面白かったです。

キーツに対する印象は?

痩せっぽちで、繊細さのあまり作品に対する悪評価によってすごく落ち込んだり…というような印象があるようですが、彼の書いた手紙や、彼を知ってる人々の証言を読むと、実際の人物像が違うのがわかります。彼は、とても繊細な感性を持ちつつも、強靭で頑固…そういった彼の要素はとても稀だと思います。

お気に入りの彼の詩は?

『ナイチンゲールに寄す』です。飛び交うナイチンゲールの、美しさに満ちたさえずりに身を任せエクスタシーを感じる…というような内容です。好きなラインは‘Thou art pouring forth thy soul abroad in such an ecstasy.’僕はこう解釈してます…『誰もが自分自身を尊重して、自分の声に耳を傾け、人生を謳歌するべきだ…』と。

ラブレターに詩を添えたことはありますか?

僕には詩は書けません。ラブレターは書いたことあるんですが、詩は自然には出てこないですね。言葉を扱うのはそんなに得意じゃなくって、十代の頃の僕の自己表現と言えば、いつも絵を描くことでした。ジョニ・ミッチェルの歌詞をラブレターに添えたことはありますが…。

シェイクスピアの映画『テンペスト』で妖精(アリエル)を演じるそうですが、いかがでしたか?

眉毛を含めて、体全体のヘアを剃って白塗り状態で挑みました。(これには黒塗りだったという説もあり)

ハムレットはあなたの出世作でしたが、シェイクスピアの作品を再びやってみて、ご感想は?

シェイクスピアものを演じるのはとても楽しいです。実際、大好きです。でも、僕が危険だなと感じるのは、いくらシェイクスピア劇が英国においてある種の伝統だからと言って、ただ上演すればいいってものではないということです。代わり映えのしない作品づくりに留まるだけですから。それは演劇界やシェイクスピアにとっても良くないことです。でも、とにかくシェイクスピアは大好きです。

キーツとシェイクスピア…どちらがすごいと思いますか?

困りましたね。個人的にはキーツが好きです。今のところ彼に肩を持ってしまっていますね。

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ちょうど、これ書き終えた瞬間に、ワールドカップで日本チームがデンマークに勝った~♪ Yeah!
途中、ちょっとウルウルしながら観てました…。テレビのサッカー評論家たち日本の選手達を褒めまくっております、今。特に本田選手を、イギリスの方にスカウトできたらいいなあ~などの話も。

『Bright Star』 ジョン・キーツの弟トム John's baby brother Tom

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トム・キーツを演じたのはこんな男の子。
たったの数秒の暗闇の中での出演なのに、かなりのインパクトだった彼。
Olly AlexanderというActor。
昨日の写真と同じくShooterのブログから見つけました。

A boy who played Tom Keats a.k.a John Keats' little brother is unveiled! His name is Olly Alexander... an upcoming actor, could be the next big thing.

photo by Shooter

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今日、‘Ginza‘っていう雑誌(7月号)を読んだのだけど、中野翠さんていう漫画家?コラムニスト?が『ブライトスター』評をほーんとちょっぴりイラスト付きで書いていて、そのイラストのベンの似てなさにぶっ倒れそうになった。で、批評の内容もベンについては『パフューム』での圧倒的な演技の…だけ。だけっ。日本でのベンに対する評価って、そんなものなのね…涙。


おとといのベン? Ben Whishaw on 20/06/10?

Yeah! 最新のベン☆
Twitter経由で辿りついたShooterっていうフォトグラファーがアップした写真。
なんか珍しく髪の毛が落ち着いている…気がする(笑) ベン、とても元気そう♪

Photographer Shooter has uploaded a photo of Ben on his blog.
Seems like it was taken on Sunday the 20th...according to his tweet.
How Looovely!

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Photo by Shooter

ベン・ウィショー in 『Criminal Justice』(2008) 《Wカップ記念》

Criminal Justice


ワールドカップでイギリスは…日本もですね…盛り上がってるまっさなか。私は、残念ながら、あーんまりサッカーって興味ないのですが…週末に思いがけなくBBCで日本対オランダ戦が放送されているのを発見し、最後の6分観ただけなのだけど、さすがに思わず叫び声あげたり、興奮したっ(笑)。な、わけで24日の対デンマーク戦がちょっと楽しみだったりしてます♪

さて、ドラマ「Chriminal Justice」(2008年7月・BBCで5夜連続放送・アマゾンなどでDVD発売中)は、ベン扮するベン・クールター(Ben Coulter)が、イギリスの典型的青年…サッカー好き…ということを強調するためか、彼がゴールシュートを決めガッツポーズをするシーンで始まる。ある晩、彼は名前を交わさぬまま女の子と一夜を共にするが、真夜中彼が目覚めると、隣で寝ていた彼女は胸を刺されて死んでいた。その後のアクシデントもからみ、ベンは警察へ連行される。

そこからは、もうジェットローラーコースター並みのハラハラ展開。このドラマでベンを演じるベンは(ややこしっ…でもないか)、困る、怯える、泣く、動揺する、叫ぶ、絶望する…などのヘビーローテーションに加え、脱ぐ、脱がされるなどの展開もあり目が離せない(* ̄∇ ̄*)。

その上、Peter Moffatの脚本が秀逸。彼は元弁護士だったという経験を生かし、警察vs弁護団、弁護団vs容疑者、弁護団vs弁護団などといった、一般人では計り知れない、多分現実に基づいてるであろう悪質な内情を描きだしていく(このあたりについては、脚色がすぎたのか多数の弁護士からのクレームが相次いだとの情報もある。もしかしてリアルに描きすぎたのかも…。ベン自身は、この脚本を始めて読んだときに、あまりの面白さに夢中になって一気に読んでしまった…というコメントがどこかでありました)。

それぞれの立場、効率のみを優先させる駆け引きの中で、ベンが自分の無実を証明しようとしても誰も耳を傾けない。事件の究明や真実、人権などはどうでもよいことなのだ。その上ベンは、刑務所の中で服役者達が繰り広げる、看守もひきこんでの悪の帝国の構造の中に引きずり込まれ、心身ともに身動きがとれなくなっていく…。

ベン・ウィショーを主役に起用してくれてありがとう!と、思うほどベンはこのベン役にはまっているし、5夜連続ほとんど出ずっぱりでストーリーを引っ張っていく彼の演技は見事で、このドラマにより昨年の国際エミー最優秀男優賞を受賞したのもうなずける。そして、なんだかわかんないけどほっておけない吸引力を持つ彼の個性が、存分に生きていた気がする。どうみても無実そうな風貌の男なんだけど、彼が殺人を犯したと思わせる証拠ばかりが山積みで、母親からも『あなたもしかして…?』みたいな疑いを持たれ大絶望するベン。そう、容疑者や被害者を囲む家族…という観点にも踏み込まれていたけれど、ベンが誰よりも愛する母親から見放され、実刑判決が下ったあとの彼は、ドラマ冒頭の何の苦労も知らないような明るい青年から、自暴自棄な青年へとなっていき、観ていて息がつまりそうになった。でも、ここからの笑顔の全くないシラーッとしたベンも、また一段とステキだったりする v( ̄∇ ̄)。

また、このドラマでの青い透明感溢れる光の加減が美しく、ベンの怯える心や刑務所内の寒々しさを効果的に表現していたし、ベンを囲む脇役陣(Pete postlethwaite, Con O'Neill, Lindsay Duncanら)もドラマにさらなる重厚感を与えていた。このストーリーにあるような事件は現実に沢山あるだろうし、無実の罪に陥れられてる人も、現在世界中に数えきれないと思う。そういった不運な人々が、ある日突然思いがけず失っていくもの…というのも、このドラマではとてもよく描かれていると思った。普通の生活、いつも一緒にいると思ってた家族、信頼感、イノセンス、希望…。

最後に思わぬ展開で、幸いにも無実が証明され釈放されたベンが、冒頭のにぎやかなサッカー場を通りかかる。以前そこで、サッカーを楽しんでいた頃の無邪気な自分を思い出し、淋しげな笑顔を浮かべるベン。でも彼は、事件によって失ったもの以上のものを取り返すべく、立派にそれからの人生をやり直していくような気がする。人間って罪だ…腑に落ちないことが多いけど生きていかなきゃ…という余韻を残しながら終わるのがとてもいいと思った。




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