ベン・ウィショー 『Brideshead Revisited (邦題:情愛と友情)』

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先に書いたベンの舞台『…some trace of her』に続き、私&ベンの歴史(というか鑑賞記ですね)をふり返り続けたい。

その舞台観劇後、ベンに腰砕け状態となった私は、同時期の2008年10月にイギリスで公開となっていたこの映画を観にいった。1940年代に書かれた、英作家Evelyn Waughの原作をもとに、まずは1979年にBBCがジェレミー・アイアンズ(Jeremy Irons)を主役のCharlesに起用、テレビシリーズ化され人気を博し、2008年の映画版では、Charlesにはマシュー・グッド(Matthew Goode)、ベンはそのCharlesに思いを寄せる貴族の子弟Sebastian Flyteを演じた。監督はジュリアン・ジャロルド(Julian Jarrold)。

この映画は日本では公開されなかったそうだが、それもそのはず。宗教、階級を主題としており、なぜに今、このストーリーの映画化が必要だったのか…というのが本場イギリスでも頭をひねる点ではあったようだ。まあ、それは横に置いといて、ベン演じるセバスチャンは必見に値するっ! まず、登場の仕方がすばらしい。オックスフォード大学構内の小川のゴンドラに揺られ昼間っからシャンペンだかをかっくらって、しかも小さなテディーベアを小脇に抱え、『ボク、幸せ~☆』みたいなヘロヘロ状態に始まり、その夜、泥酔状態のセバスチャンは、カレッジ寮一階の庭に面するチャールズの部屋の開いていた窓から、部屋に向けて豪勢に吐く。せっかく外でチドリ足してんのに、どーして外で吐かないのかな、貴族様はっ。しかし、この吐いた後のセバスチャンのきまり悪そうな顔がなんとも愛らしいこと☆。視線は定まらない状態でも、部屋にいるチャールズをパッと見、即座にビビッと何かを感じてしまうセバスチャン。翌日、早速セバスチャンは、昨晩の侘びとして、とびきり豪勢な花束をチャールズに送りランチにご招待。ここから二人の友情(以上のもの)が芽生えはじめる…。

ミドルクラス出身のチャールズには、アッパークラス貴族セバスチャンの桁外れに優雅な生活ぶりが物珍しく愉快でもある。ある日セバスチャン家の屋敷に招かれ、チャールズはセバスチャン一家の複雑な人間模様を垣間見る、と同時にチャールズの存在が、その一家にもともと吹き荒れる冷たい風の後追い風となっていく…。

と、書くとこのチャールズが、すごく影響力のあるカリスマ性溢れる人物のように思えるが…そうでもない。この小説を読んだときは、私は想像力を思いっきり膨らませて読んだので、主人公としてのチャールズ像を私なりに納得できたのだか、この映画ではマシュー・グッドのなんとも中途半端な演技が、ストーリー展開を平坦にしてるように思えた。マシューは長身の嫌味のないハンサムだと思うし、随所に見せる微妙にコミカルな演技にも好感が持てた。けれども貴族一家を破滅に追い込むチャールズ…という役には荷が重すぎたのではないか。残念だけど。

そして、ベン扮するセバスチャン。チャールズに愛される美青年…ということであるらしいが、まあ正当派美青年と言い切ってしまうには、ちょっと…(ベン、ごめんね)という気がしないでもないが、とにかくチャールズのまわりを蝶のようにヒラヒラまとわりつくような姿がなんともカワイイのである。乙女だ。夏のある日、二人は心を通わせ…淡いキスを交わす。そしてある時は、『毎日がこんな素敵な夏の日のようであったらいいな…』と、チャールズにつぶやいたりするセバスチャン。しかし、そんな日は長くは続かない。Emma Thompson扮する母親の確固たるカソリック信仰心のもとセバスチャンは、罪とされるホモセクシャルの罪悪感から逃れるために現実逃避の道をまっしぐら。心を寄せていたチャールズはセバスチャンの妹(姉かな?)ジュリアに心がわり…。母親に幼い時から厳しく信仰をしつけられてるのにもかかわらず、ホモセクシャルという観点から宗教にも見放され、心の拠り所を無くすセバスチャンは、さらに酒を浴びるように飲み、自己破壊へと向かう。

その後、宗教が重要視される結婚、階級問題を軸に各々の人間模様が描かれ、後半はほとんどチャールズとジュリアの話になっていき、途端につまらなくなるのだが…ベンファンにとっては、ね…、ベン演じるセバスチャンは、本当に痛々しくも魅力的だ。ベンが出ていなかったら、多分この映画を観ていなかっただろうと思うけれど、現在イギリスに住んでいる立場として、とても考えさせられる題材ではある。

もっと、シーンごとに追いたいと思うけれど、長くなったので、またそのうちに…☆

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