『ブライト・スター』 ジョン・キーツの友 セヴァーン(Joseph Severn)

今日近くの本屋で、キーツが書いたファニーへのラブレターのみを編集した本を見つけました。『So Bright and Delicate』っていうタイトル。カンピオン監督が序文を書いていて…ほとんど映画の筋をなぞったもの…映画の情景を思い浮かべて、立ち読みしつつウルウル。

で、もう一冊、キーツのイタリア行きに同行したセヴァーン(Joseph Severn)の伝記も出てました。映画に便乗しての出版のようにも思えますが、私はなんだか、このセヴァーンという人がちょっと気になっていて、映画での扱いがあまりじゃないか、と。ファニーが悔しさのあまり『ジョンのことを何もしらないセヴァーンがどうしてイタリアに…』というようなくだりがありましたが、実際にセヴァーンはキーツの兄弟とも交流があり、ポートレイトを描いたりもしてた人。少しそそっかしい面があった人のようですが、イタリアからキーツの病状を事細かにブラウン達に手紙で報告したり、キーツの最期を看取った後もローマに残り、85歳という長寿を全う。彼のお墓は、ローマにあるキーツのお墓の隣に仲良く並んでいます。若くして亡くなったキーツをずっと偲んでいた暖かい人物像が伺われるような気がします。

100625_SevernSamuel.jpg

《左》セヴァーンのセルフポートレイト《右》『ブライト・スター』でセヴァーンを演じたサミュエル・バーネット。アラン・ベネット作『History Boys』では映画と舞台両方で主役の男子高校生の一人を好演。ベンと同じく1980年生まれ。歌が上手。

《L》 Self Portlait of Joseph Severn《R》Samuel Barnett who played Severn in Bright Star. He also played one of High Shool Boys in History Boys both theatre play and film.

100625_Keats by Severn

《左》セヴァーンによるキーツの肖像画。《右》左よりキーツの墓とセヴァーンの墓。
《L》Portlait of John Keats by Severn. 《R》Keats' grave(L) and Severn's grave(R) in Rome.

キーツの墓碑銘の上に「半分だけしか弦が張られていない竪琴」が刻まれていますが、これは若くして人生を閉じねばならなかったキーツの無念さを表しているとのことで、ルネサンスの人文主義的で古典的な寓意図像だそうです。また、本人の遺言によって"Here lies One Whose Name was writ in Water."《ここに眠る者の名は、水に記される(ごとく消えていった)》…と言葉が刻まれているのがもの物悲しい。
セヴァーンの墓碑には、やはり画家だった彼を象徴するかのごとくパレットと筆が刻まれています。


I have wondered what Joseph Severn's actual relationship to John Keats was. According to references I have read, Severn befriened Keats' brothers as well and he painted some portraits of them. He also decided to stay in Rome after Keats' death, died at age 85 and was buried next to Keats' grave.

In the film, Severn was featured so little that viewers can not get any ideas who he actually was...anyway it was Ms. Campion's choice.

Comment

またまた涙・・・

本当!

ただただ素敵ではなかったのですね。

美しいものの影には必ず痛みもあり、なのですね。
それがまたベンが言うとところの“ゴージャス”なのでしょうか?

また涙…。

うららさん。お墓に刻まれた竪琴、どういう意味合いが…と、気になっていたので調べて書き足しました。私もイメージ的には素敵だわーって思っていたのですが、ちょっと悲しい意味が隠されていたようです。

言い忘れましたが・・・

キーツの墓にはライアー(竪琴)、セヴァーンの墓にはパレットが刻まれているというのもなんだか素敵です ♪

『ブライト・スター』別バージョンお願い?

やはり、うららさんもkikoさんもセヴァーンのことを気になさっていたのですね。

キーツの最期を事細かに知ってるのは彼だけですし、病床のキーツはファニーから受け取っていた手紙を、悲しさのあまり封も開けずに読まなかったそうで、セヴァーンはその未開封の手紙をキーツの棺桶に添えたとのことです。セヴァーンは画家として英国内では、すでにある程度名が知られていたらしく、家族の反対を押し切ってキーツのイタリア同行を決意したそうですが、イタリアでは家族にも恵まれ、娘さん(画家?)による老年の彼のデッサンなども本に載っていました。

やっぱりキーツの人物像や彼の周りの芸術家の友人達にもせまった、別バージョンの『ブライト・スター』が観たくなってきますねー☆

No title

日本でも『So Bright and Delicate』読めるかしら?出来れば翻訳本でと思うダメダメちゃんの私ですが(苦笑)
後で探してみようっとセヴァーンの伝記も一緒に。

実は私もキーツとセヴァーンの関係をもう少し密に観たかったなぁ~と。
特にローマで療養してる時を。
セヴァーンも彼なりにキーツを愛してたんですね。

麗しき Men's bonding *

「セヴァーン、ぼくは死ぬんだ。安楽に死ぬよ。慌てないでくれ、しっかりして、死の来たことを神に感謝してくれ」
と言ってキーツはセヴァーンの腕に寄りかかった・・・・・

くう~ぅ~う~ ☆*♪▲∵□

もう、キーツ詩集あとがきでここのくだりを読んだときからウルウルして、結構このセヴァーンとの関係が描かれることに期待していた私・・・。     残念!

この映画の中では、こぼした紅茶をソーサーで飲むのが愛らしかったセヴァーンですね ♪

Comment Form

Only the blog author may view the comment.

Trackback


Use trackback on this entry.

Search form