キーツの切ないラブレター 2

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《左》ブラウンによるキーツのドローイング。ワイト島に行ったときに描かれたもの。《右》ファニー・ブローン。

最後にファニーの家族としばらく一緒に過ごす直前、キーツがブラウン宅から離れてKentish Townで暮らしていた時に書かれた、ファニーへの『最後の手紙』と思われる一通。彼の苛立ち、ファニーに対する激しい情熱などが切々と綴られている。原文のみで、今のところ日本語訳見つかってないのだけど、一応アップしとこう。そのうちにきちんと腰を落ち着けて、ゆっくりとキーツの感情を噛み締めながら、私なりに訳してみたいところ、自信ないけど(笑)。あっ、でも今回の映画公開により、キーツのラブレターを集めた本の、日本語訳が出版されるのかな?

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Wednesday Morng. [Kentish Town, 1820]

My Dearest Girl,

I have been a walk this morning with a book in my hand, but as usual I have been occupied with nothing but you: I wish I could say in an agreeable manner. I am tormented day and night. They talk of my going to Italy. 'Tis certain I shall never recover if I am to be so long separate from you: yet with all this devotion to you I cannot persuade myself into any confidence of you....

You are to me an object intensely desirable -- the air I breathe in a room empty of you in unhealthy. I am not the same to you -- no -- you can wait -- you have a thousand activities -- you can be happy without me. Any party, anything to fill up the day has been enough.

How have you pass'd this month? Who have you smil'd with? All this may seem savage in me. You do no feel as I do -- you do not know what it is to love -- one day you may -- your time is not come....

I cannot live without you, and not only you but chaste you; virtuous you. The Sun rises and sets, the day passes, and you follow the bent of your inclination to a certain extent -- you have no conception of the quantity of miserable feeling that passes through me in a day -- Be serious! Love is not a plaything -- and again do not write unless you can do it with a crystal conscience. I would sooner die for want of you than ---

Yours for ever
J. Keats

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映画では、Kentish Townの部屋に着いた後、絶望感に襲われているキーツが『帰ってくれ』と涙ながらにファニーに激しい言葉を浴びせ、ファニーはその場を去る。Andrew Motionのキーツの伝記によると、その後キーツは親友Leigh Huntのもとに身を寄せていて、そこでは家族の多い慌しい環境の上、Huntの子供のいたずらなどにより、ファニーからの手紙が開封された状態でキーツの手元に渡りショックを受けるなどあり、居たたまれなくなったキーツは意を決してファニー宅へと向かう…という状況だったよう。

イタリアでのキーツは、ファニーの母親宛には手紙を書いたけれども、あまりの空しさから直接ファニー宛には書かなかったらしい。そして、ファニーからの手紙も全く封を開けないままの状態で、セヴァンの手により、キーツと共に葬られたとのこと。そして、イギリス時代のファニーからキーツへの手紙は、キーツの指示により全部焼かれてしまって残っていないのだそう。

ネタバレになるけれど…
上の手紙にあるキーツの激しい言葉の数々が、編集でカットされてしまったシーンに組み込まれている(英国版DVDに収録)。前にも書いたけど、そのシーンはキーツの烈しさが出ていて興味深いシーンであったのに、ファニーの視点によるラブストーリーという観点からは反れてしまうという判断で、カンピオン監督はカットしてしまったのだなー。ここでもベン、かなーり苛立っただろうな(笑)。

brownkeats.jpg

この写真のシーンのセリフも、キーツが数人に書いた手紙をもとに、パズルのように組み合わさってる模様。
カンピオン監督、脚本づくりでも、かなり試行錯誤してます…。

Comment

うららさん

お返事遅くなりすみません。
しかしながら、素敵なキーツの和訳情報をありがとうございますっ!
そうでしたかー、やっぱりすでに日本でも翻訳されてるくらい、有名な手紙だったのですね…なんか、今から涙が出てきちゃいそうです。これから、じっくりとキーツになりきって一文字ずつかみしめつつ読みたいと思います。

げっ、私版のキーツ・ラブレター訳?それって、何ですかっ?(新年早々、トボケテ事を済ましちゃおうかしら(苦笑)そういえば、そんな気になってたことありましたっ。うららさんこそっ!涙をさそうラブレターなどなど訳していらっしゃって、私もただただ感銘を受けておりますよ~。

そうですね、せっかくキーツの素晴らしい詩の世界にめぐりあったわけですし、少しずつでもライフワークとして自分なりに訳していけたらなーっていう気持ちは持ち続けておりますので…ええ…首を本当に長~く長~く長~くして待っていてくださいね☆

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

明けましておめ BEN とうございます ♪

この手紙の和訳見つけましたよー!!
我がブログに元旦に、初投稿で載せています。

お屠蘇より酔える、キーツの言葉の美酒に I was totally intoxicated ☆
悲しくて切なくてやるせなくてその苦しさを麻痺させるかのごとく、またも心に哀しみから抽出した美酒を流し込む。
というキーツの心情が伝わりすぎてむごくてむごくて・・・・・

『キーツ 詩人の手紙』 (冨山房百科文庫) 田村英之助 訳  1977年刊

に収録。

はーやさんのおっしゃるようには、この映画『ブライト・スター』が日本でキーツ熱に火をつけるというほどには全く(?)なっていません・・・・・(悲)
プロデューサー、ジャン・チャプマンの、「この時代に詩の映画なんて・・・資金集めが大変でした」との言にもあるように。

でも、絶版になっているものも含め、調べた限り10冊くらいキーツの手紙についての出版物が出ている(が、最新で2005年)ようなので、わたくしただ今ベン強中(笑)

P.S. はーや翻訳版 <キーツ・ラブレター集> も首を長くしてお待ち申しております。かしこ

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