Earthquakes in London @National Thetre (Cottesloe)

Earthquakes in London sukima.jpg先週ブログに書いた昨年のベン出演芝居『Cock』の作者、Mark Bartlettの新作『Eeathquakes in London』に行ってきました。もちろん今回はベンは出ていませんが。

場所はNational Theatreの中の、一昨年ベンがやった『…some trace of her』を上演したCottesloe Theatre。Natonal Theatreには3つのシアターが入っていますが、このCottesloeは体育館ようなスペースになっていて、客席は左右上部に設置されてはいるものの、メインスペースはその公演ごとに舞台設置などが七変化可能という多角的スペース。今回の『Eeathquakes in London』も蛇行状の花道ステージが一階スペース一杯に渡されていて、客席の設置されてない二面の壁上方にも凹んだ舞台スペースが設置されており、芝居中、前を見たり、後ろ見たり、花道でも何かが起こっていたりするので楽しい忙しさ。この芝居自体がケオティックな人間社会を描いた群像劇なのでこのセッティングはとてもマッチしてると思いました。

その舞台デザイナーは、Mark Bartlettと何か関連があるのか、やはり『Cock』の時のMiriam Buether。あの時はシンプルな小さなスタジオスペースで、役者にとっても観客にとっても、少し息のつまるような空間、円形ひな壇客席をデザインした人。今回のは、蛇行してる花道にも、所々に小さな奈落が設置されていて、そこから役者が出入りしたりとか、本当に見ても楽しい、奇想天外なセットだったと思う。これも演じる側にとってはかなり挑戦的なセットだろう。その花道の隙間隙間に沿うような形でバーにあるようなスツール椅子の客席がセットされ、またその隙間にも立ち見の観客が入れるようになっていて、花道舞台周辺はまるでバーのような雰囲気。その花道というのは幅2メートル弱くらいで、劇中そこを全く違う設定にいる人物がすれ違ったり、バーレスクダンスのシーンが展開されたり、出演者たちは幾度となく、客席から現われて、突如舞台に上がったりという、どこから何が登場するのやら…とハラハラ。

ストーリーは1968年から2525年というとんでもない時空間で、社会・環境問題を軸に人間模様が交差していく…。三人姉妹の次女で、妊娠中のFreyaが極度の精神不安定になり始め、夫のSteveは、Freyaの精神状態は義父Davidに関連があるのでは…と感じはじめ原因を探っていく。そこで、元科学者であるDavidが『世の中の現状は悪くなっていく一方だ。諸悪の源である人間をこれ以上増やしてはいかん。だから孫の顔なんて見せてくれるな。中絶しろ。』と、フレアに言っていた事実をつきとめる。そして、もともと父親に反抗的であったフレアの姉妹たちも絡んでいくなど、社会・政治批判、人々の階級意識、セレブ・物質社会への皮肉など、幾重にもなった構造をテンポよいセリフで見せていく。また、最近の演劇の志向というか、(私の行く芝居によくあるだけかな)リアルタイムの主題を取り上げながらもファンタジーも盛り込む…という手法が多く見られるような気がするのだが、このストーリーも最後のファンタジーの部分で、より観客をストーリーに誘い込むという感じで、後半何度もジワッときてしまった。

で、お父さんDavid役がドラマ『Chriminal Justice』でベンを苦しめる刑事ボックスを演じたBill Patersonでありました。あの刑事役とは、全く別人。ケオティックな舞台の中でありながら、彼の重厚な演技と存在感で芝居が引き締まるように思えました。そして、主役のFreyaは『Brideshead Revisited』のチャールズの妻役Celiaを演じたAnne Madeley。美しく可憐で繊細な悲劇のヒロインがはまってました。そんな感じで、ここでも思いがけず少しだけベンの空気を感じて、キラッ☆。

すごくポップでビジュアル的でありながら、猛烈なセリフ劇でもありましたので、私の英語力では到底追いつかないレベルの捻った表現などが満載してたかと思われ、また観てみたい~。様々な角度から人間社会を突付くという複雑な展開を、テンポよく知的に創造していった脚本家Mark Bartlettの力は凄いです。また演出をしたRupert Gooldという人は、Headlong Theatreの芸術監督を務めており、これからますます注目の人となるのではないでしょうか。『Eeathquakes in London』は、まだプレビュー段階で、初日は8月4日からです。

長々と失礼いたしました。

national theatre book market

《左》National Theatre
《右》ベンも通うというNational Theatre前、Waterloo Bridge下Thames河沿いの古本マーケット。


Comment

うららさん

情報ありがとうございます!確かにこの芝居は、National Theatre全体においても、この夏から秋にかけての目玉だったと思います。Cottesloe Theatreの空間を見事に使いきったかのような舞台効果や演出によって、見終わった後すっごい爽快感がありました。過去と未来を行き来…っていう脚本にはちょっと無理があったかな~って感じがしなくもなかったですが、芝居を越えたライブ感は素晴らしかったです。

このCottesloe Theatreは、うららさんも御覧になったベンの芝居『..some trace of her』が上演されたところですが、増改築の計画が出ていて、さらに客席数を増やしたり、最新の設備が施されるようになるようですよ。芸術監督Nicholas Hytnerのもと、他2つの劇場も含め、益々勢いがついて面白そうな作品の上演が目白おしのNational Theatreですが、Old Vicでベンがハムレットを演じたときのオフィーリアのお兄さん役を演じたRory Kinnerが、今回ハムレット役を射止め上演中です。またか(笑)というような現代風ハムレットのようですが、評判はなかなかのようです♪

『シアターガイド』誌10月号をペラペラ捲っていたら…

この舞台の紹介がちょっとだけ Westend 情報 この秋のおすすめ 欄に載っていました ♪

「劇作家マイク・バートレットの最新作。環境汚染の実態を関係者から口止めされた科学者の娘3人が、過去と未来を行き来し、環境破壊の恐さを確かめていく。『THE BEE 』の美術家ミリアム・ブータによる客席の間をヘビのように縫って設置された斬新な舞台と、実際のロンドンの町並みを背景に映し出したルパート・グールドの視覚重視の演出が、物語の臨場感を高めると評判」

とのことでした。(お節介だったかもしれませんが、日本の紹介がどのようなものだったかのご参考までに・・・)

ますます観たかったと、残念。はーやさんの詳細な描写のおかげで20%くらいは観たような気にさせていただきましたが。。。(笑)

私も先日、Brideshead のCelia 役の女優さんが出ている映画をテレビで観て、とってもきれいで役が立っていたので驚きました。いい女優ですね。

うららさん

劇場でパフォーマンスを見るってこういうことだよな~と、心から感じさせてくれる演目だったと思います。3時間くらいでしたが、中だるみなど全くなく本当にグイグイ引っ張られました。。
すっごくタイムリーなテーマで、メッセージ性があって、次世代のことも考えて描いていて…。今思い出しても、ジワッときます。機会があったら是非見ていただきたいです☆ 
Mark Bartlett氏、本当にこれから見逃せないですね。

うわぁ~

いいなあ、見ごたえありそうな舞台!!

私も Mark Bartlett 氏はものすごい筆力、構成力の持ち主だと思います。特にテーマがこのところ私が気になっている問題をかなり深いところで考えていてそれを作品にしようとしているのが伺えて、この作品も是非観たいなあ~!

Cottesloe シアター、懐かしい!・・・Some Trace of Her 、懐かしい!2年前のベン、懐かしい!

私もあそこの古本モール、一度覗きました。手をほこりで真っ黒にしながら探しましたが、私の読めそうなのがなかったのであえなくあきらめましたが・・・(笑)


Comment Form

Only the blog author may view the comment.

Trackback


Use trackback on this entry.

Search form